:)★活動91日目 昨日、裏の人が、自殺した。
Mulibuwanji? お元気ですか?
アフリカのザンビアにて、青年海外協力隊として小学校で活動中のゆきちです。
タイトルを見て気を悪くされた方は、ごめんなさい。
今日は少し重たいお話し。
だけど、初めてのことだらけだったので、しっかり書き留めておきたいなと思い、綴っています。
※これがザンビアの当たり前のことではありません、どの国でも起こり得ることです。
1.昨日、裏の人が、自殺した。
*夜中に校長先生からの連絡
2017年6月25日 日曜日 深夜0時。
この日は昼間寝すぎて眠くならんかったもんで、私にしては夜更かしをしてblogを書いていました。
blogを書いてるとき、日曜夜にもかかわらず(というかうちの村は土日関係なく静かだけど)、叫び声から始まり、呪文みたいな声や歌が聞こえてて、「気味悪いなぁ・・」なんて思っていました。
そしてblogを書き終え、「さて寝ようかな」とベッドに入って寝ようとしていたとき、、
♪ピロロン
こんな夜遅くにSMSが。一体誰だろうと開くと、そこには配属先の小学校の校長先生の名前が。
We have a funeral at the chavwanga's. That girl he keeps has committed suicide.
というメッセージ。
英語ができない私にとっては見慣れない単語が入っていたので、「めんどくさいけど、チャバンガ先生の名前も入ってるし確認するか~~。」と辞書で一つ一つ検索・・
- funeral・・葬式
- committed suicide・・自殺する
・・・え???
ぞくぞくっとした。久しぶりの感覚。
まず、近い存在の人が亡くなったこと。
そしてザンビア人が、自殺という衝撃。
さらにはチャバンガ先生の女の子って誰??
いろんな想いと疑問が頭のなかをぐるぐるしていました。
*いつ、だれが、どうして自殺を?
まず、SMSにも書いていたチャバンガ先生というのは、私の職場の役職者です。多分4番目くらいに偉いと思われます。男の先生のなかでは、校長先生の次に偉いので、私の任地の家の準備や修理など、チャバンガ先生がやってくるし、力仕事や車の運転は彼がいつも任されています。
そして、とってもユーモアでちょっとSっ気があるおじさんで(笑)、いつも私にちょっかいやら冗談を言ってくるいい人です。
彼は私と同じく教員住宅に住んでいて、私の家の裏にいます。チャバンガ先生の奥さんと、娘2人と、奥さんの妹さんと住んでいました。娘2人は配属先の学校の6年生と2年生で、以前折り紙講座した後にわざわざうちまで「折り紙教えてー!!」とうちに尋ねてきた2人です。だから、チャバンガ一家とは結構近い存在です。
さて、そんなチャバンガ先生一家、今回亡くなったのは、チャバンガ先生の奥さんの妹さんでした。まだ10代後半で、学校に通うために下宿していたようで、お母さんとお父さんは首都ルサカに住んでいるとのことでした。私も何度かお会いしたことはあって、すごく落ち着いた子でした。
次の日、学校でいろんな先生に聞きました。なんせ、私は英語が一回じゃ聞き取れないので、いつもいろんな人に同じ質問をして色んな情報を集め共通点から何の話題なのか理解しています。
このチャバンガ先生のお家の隣に住んでいる事務の先生がじっくり、詳しく教えてくれました。
おそらく土曜日夜に、彼女は毒を作って、こっそり飲んだそう。
日曜日の朝から頭痛と吐き気に見舞われる彼女を家族は心配して病院に連れていこうとしていた頃、彼女の口から唾液や泡がどんどん出てきたらしく、急いで車に乗せ病院に連れていったが、車の中で息を引き取ったらしいのです。
家族も突然の出来事すぎて、病院で解剖検査をしてもらって分かったのが、彼女の体内には毒と見られるものが入っていたことと、
お腹の中に、赤ちゃんがいたこと。
この事実は、病院の先生に伝えられるまで誰も知らず、そして家族の誰もが気が付かなかったらしいのです。
突然の死に、自殺という真実を知った家族たちは、ショックすぎて、私が次の日(月曜日)の夕方訪れたときには嗚咽を上げて泣きわめいてました。。。
私が、詳細を教えてくれた先生に
「その赤ちゃんのお父さんは誰か分かるの?」
と聞くと、
『分からない。Yukiこれを読んで?彼女は襲われたの。』
と一つの紙を見せられました。
レンジェ語で書かれてあったので、全くなんて書いているかわかりませんでしたが、
先生にひとつひとつ英語で説明してもらいました。
2か月前、私は知らない男に襲われた。怖かった。こんな汚い自分であることを誰にも言えなかった。私は家族のみんなのことは本当に心から愛している。でもこんな自分、そしてこんな私に宿った子どもを心から愛することはできない。神様こんな私でごめんなさい。神、友人、家族のこと愛しています。
ということ。
本当に衝撃でした。
衝撃で、何も言葉がでなかった。
「物がなくても心が豊かである途上国の人」に憧れてやってきた私は、「自殺」という現実がやってくるなんて全く想いもしていませんでした。
そして、のんびりと優しい人が多いと感じるザンビアの「治安」を心配することは本当に少なかったので、現地の人で、こんな許せない、そして恐ろしいことが起きるなんて、思ってもいませんでした。
家族は、本当にいたたまれない気持ちなんだろうな、と。
『私が守ってあげられなかった』
『私の愛が足りなかったのか』
『知らない男のことが憎すぎる』
と終始、嗚咽を上げながら泣き叫んでいました。
2.ザンビアでの、人の”死”とは。
*同僚の反応
SMSをもらった次の日、朝一で臨時職員会議がありました。 ・・が、しかし、『チャバンガ先生は葬式のためいません。』程度。
「え、こんな学校の敷地内に住んでる人が亡くなったのに、そんなもんなの!?」とかなり驚きました。まあ、職場の人でも生徒でもないし・・そんなもんなのか?
ちなみに、その日の会議の主の話題は、「教員用女性トイレにヘビがよく出るから、男性と変えてほしいという意見について」と「金曜日にあったチボンボ郡スポーツ大会の試合結果」の2つ。・・え、嘘でしょ?笑
会議が終わって、同僚のところにいくと、『コンニチハ~ゲンキデスカ?』と、呑気に最近私が教えた日本語で挨拶かましてきた!!!笑
そんな同僚に、「昨夜の校長からのSMS本当に驚いたよ。自殺って・・一体何があったのかな?私は何をしたらいいのかな?」と聞くと、
『あぁ、Madam Yuki,ザンビアでは人が死ぬのはよくあることなんだ。ザンビアだけじゃなくアフリカ全体的に。大人だけじゃなくて子どもも。きっと、あなたはこの2年間で近所、先生、生徒、たくさんの人の死の場面に直面するよ。だから、そう驚く必要はないし、特に何もしなくてもいいよ。』
と、意外とあっさり。(*_*)
確かに、途上国は平均寿命が低いから死は身近とは聞いてはいたけど・・本当なんやー。
いやでも、今回は自殺だよ??んー。
ところで、よくよく考えたら、私、身内のお通夜やお葬式行ったのって、小学校3年生の時の祖父が最後で、それからは、中学校の時に部活の顧問の先生のお母様のお通夜、大学1年の時に大学のクラスメイトのお葬式(持病があった子だったけどそれでも衝撃だった)、社会人2年目で同期のお父様のお通夜くらいで、この死と向き合うことが多いザンビアと比べたら、「死」ということに直面した経験はない方でした。
やから、今回のことで私はものすごく動揺していたけど、同僚は教員住宅住まいでなく、別の村から通っているのもあるせいか、職場の同僚でない彼女の死は彼にとってはよくある死の一つみたいで、特に何するわけでもなく帰っていきました。(*_*)。
でも、チャバンガ先生はいつもお世話になっているし、本当に心配だし、何かお参りとかできないのかな・・と思い、いつも面倒を見てくれる隣人のグィーバ先生のところに行くと、
『Yuki、お葬式に行くなら私がついていくわ。』
と言ってくれ、お葬式にいくことにしました。
*ザンビアのお葬式の様子
ザンビアの・・というか、うちの村のお葬式なのかもしれませんが、かなり簡素な感じでした。
日本のように、白と黒の服(喪服が主)で参列し、葬祭場で白黒に統一された装飾に、ぶわーっと菊の花や、思い出の品を飾り、時間になったら受付があり、香典を渡し・・・など一切なく、
男性は普通の服、女性は普通の服になぜかチテンゲ(アフリカの派手な柄の布)を巻き参列。チテンゲってエプロンとか作業着なイメージだったけど、お葬式は必須みたいです。みんな巻いてた。
会場は亡くなった方のお家で、一室にマットレスやカーペットなど敷き詰め、訪れた人はすぐにその部屋で座ります。(しかも足を伸ばして!!掛け布団も用意されてました。)そこで、喋らず座って待ちます。
ちなみに、偶然なのか、そういう決まりなのか、室内は女性のみ、男性は外。室内に置いていただろうソファやいすを庭に並べてそこで談話してました。
お葬式の流れとしては、朝からず~~~~っと人が来ては亡くなった方の身内の傍でひたすら座り、歌い、祈り、泣きの流れ。帰るタイミングは各々なので、お通夜のような感じなのかなと。
私が行ったときには、丁度聖歌隊が来たときで、ひたすら(6曲くらい連続)聖歌を歌っていました。めちゃくちゃうまくて、だからか、私からすれば、普通にゴスペル聞いてるようでその時は少し華やかに感じました。。だけど、身内の表情はどんより・・。
ちょっとしたら、写真が回ってきました。日本のように写真を飾るのではなく、回すのです。そして、それをぱしゃぱしゃ自分の携帯やスマホで写真を撮りだす・・・日本じゃ考えられないですよね。。(*_*)
そして、そのあとです。
(かなり)突然、
『う~~~うあああああああああ!!!!』
と、雄たけびのような泣きわめく声というかなんというか、びくぅっっ!ってなっちゃうくらい、突然入ってくるんですよ!!(しかも1時間半のうち2回あった)
え、なにこれ、演出???
この雄たけび隊(勝手に名付ける)が入ってきたら、今回亡くなった彼女のお姉さん(チャバンガ先生の奥さん)は、どーんよりした様子から一転変わって、共に泣き叫ぶんです。
と思ったら、ミュージカルかのように曲調になって、そこで、『私が彼女を守ってあげられなかったから~』みたいなこと嘆いて、周りの人たちが号泣しながら『そんなことないそんなことない』って泣きながら励まして・・・
そして落ち着いたころにまた新たな聖歌隊が来て歌って・・のエンドレス。ちなみに今24:00現在もなおずーっと聖歌隊が歌ってる。。お昼よりか、みんなの声も時たま明るく聞こえますが・・ひたすら歌って、祈ってるようです。
こんなにもできるのって神を信じているからこそなんだろうなー。こういうとき、信じるものがあるひとって、本当素晴らしいなって思う。
ちなみにお棺はというと、置くことが普通のようですが、今回は体内解剖したのもあるので、会場にはなくルサカにあるとのことでした。解体後縫ってルサカのお墓に後日埋めにいくそうです。
3.今回の死、そしてお葬式で感じたこと
*自分の英語力の無さによって傍に寄り添えない辛さ
お葬式に行ったものの、こういう人の死に直面したときにかける言葉が分かりませんでした。
そのため、すごく傷ついているチャバンガ先生や、チャバンガ先生の家族が想い想いに話してくれる言葉が聞き取れなかったり、なにより私は何も声をかけてあげられず、私まで非常に落ち込みました。
ましてや、日本や語学学校での英語の学習で、冠婚葬祭の言葉って学ぶ機会あまりないですよね?結婚式はあったとしても、お葬式の場面って・・お葬式自体にあまり行ったことのない私からすれば日本語でも少し言葉かけに悩むのが正直なところです。
しかし、見方を変えれば気付きになりました。
これを機に、まだまだ勉強しなくちゃならない。こういう時の言葉も英語、現地語合わせて勉強したいなと思います。(もし経験ある方はぜひ教えて下さい)
*治安の良い方と言われるザンビアでも油断禁物
村で過ごす中で、事件もなく、のーんびり、オープンに過ごしている私は、「あー、ザンビアなんて平和なんだろう」と思うことが多々あります。
しかし、現実はそうとは限りません。
これは途上国にしろ、日本にしろ同じこと。犯罪は残念ながら起こります。慣れてきたころが一番危険といいます。初心を忘れるべからず。 肝に銘じます。
*"自分の死"に影響するのは自分だけではない
ザンビアに来て、最初の3週間事務所で研修があります。その際、 「墓参」というプログラムが組まれているのですが、これまでのJICAボランティアの死について共有され首都のお墓には同期と調整員(JICA駐在スタッフ)と墓参します。
その時の共有に、各保護者からの手紙も共有されるのですが、その手紙を見て涙がでました。
マラリアで亡くなった方の保護者さんのメッセージのなかに『たった一匹の小さな蚊に、自分の大切な娘の命が取られたと思うと悔しくてたまりません。』という言葉がありました。本当その通りですよね。それを読んで、私は副作用のリスクがあったとしてもマラリア予防薬を必ず飲もうと決めました。
他にも死因として、交通事故や、現地での病気などありましたが、
「2年間協力隊に行くことを自分が引き留めていたら。」
「最後に会えなかったことが本当に心残りです。」
こういった言葉から、家族、スタッフ、友人の悲しみと悔しさが一番感じられました。
実は、私は人生で自殺を引き留めた経験が三度あります。
中学生のとき、大学生のとき、そして教員生活で。
その時に感じたのが、自殺して残るものは「多くの人の後悔」しかないということ。
本人は苦しくて、周りのことなんて考える余裕なく、自分がラクになることを選ぶしかなくなり自殺をしてしまったかもしれないけど、少しだけ視野を広げれば、少しだけ人を頼れば、少し楽になれることはあるはず。
こっちで生活をして思うのが、 「余裕のある生活ってすごいな」って。
日本で、切羽詰まりながら、時には無理をしながら、目の前のことにがむしゃらに突っ走ってきて、それが「よく頑張ってる」と評価に繋がったりもしていたけど、ザンビアに来て、私にはその働き方はあってなかったなーって少し感じています。
ザンビアに来て、のんびり、今やれることをやろうという生き方にしたことで、まだたった3ヶ月だけど、逆にアイディアが出てきたり、健康面も整うし、ネガティブになることが減ったし、人に対して優しく考えられるし、少しのことで感動できてHAPPYを感じれたり、「見えてくるもの」「感じれること」が全く違うように感じます。
日本に帰ったら生きていけるのか不安になるところですが(笑)
「余裕を持てる」環境に身を置くこと。
「余裕を作れる」自分になること。
こんなことを大切にしていけたらいいなー・・なんて、2年活動終えたひとが言うようなことをまだ3ヶ月の私がいうのってどうなんでしょう!!(笑)
けど、本当思います。(^^)
そして、「助けて」と言える勇気。
自分の弱みを見せる、自分の恥を見せる、すごく勇気をいることだけど、一歩踏み出すことで変わります。本当に。私も実は大学生のころ、友人に救われたことあります。あの時、彼女に助けてって言えなかったら、今の私はいなくって、本当に感謝しています。
今回の彼女も、襲われてしまったことは本当にとてつもない怒りと悲しみしかないけど、もし「助けて」と言えたら、彼女はラクになれたかもしれないし、彼女の周りが悲しむことにはならなかったかもしれない。
「人に弱さを見せること」 は私もかなりの苦手分野だけど、そんな自分も変えていけたらいいなって思います。
少し話が脱線しましたが、今回の身近な人の死をきっかけに改めて「私」の人生において大切なことについて考えさせてもらったことに感謝だなー。
そして、ここまで書いておいてなんですが、日本と比べ寿命が短いというのはアフリカや途上国ならではのことですが、
『レイプ』という事実は日本でもどの国でも残念ながら起こっていること。この記事を読んでイメージダウンすることを恐れて書くか書かないか悩みましたが、良いことばかりを伝えるのもどうだろうと思い書きました。
何度もいいますが、決してザンビアだから、途上国だから、という話ではありません。日本でも他の国でも起こりえること。
基本は落ち着いてるし、人もいい人が多いし、ザンビアは大好きな国のひとつです。
さ!明日からも、のんびり、いろんなことを感じていけますように。
この記事よ良かったと思ってくれた方はこちらをポチっとクリックお願いします。
【私ってこんな人。】
yukichijpn-zmb.hatenadiary.com
yukichijpn-zmb.hatenadiary.com
yukichijpn-zmb.hatenadiary.com
yukichijpn-zmb.hatenadiary.com
yukichijpn-zmb.hatenadiary.com